将来の原発依存度について有権者の意見を聞く政府の「聴取会」に電力会社社員が発言者として登場した問題は、「やらせ」とまではいえなくても、主催者と広告代理店の「仕込み」の疑いは強い。1年前は「原発推進」のやらせそのものがあった。
朝のワイドショーが「原子力保安院が仕掛け!『原発推進』やらせシンポジウム次々発覚」(フジテレビ系「とくダネ!」)、「保安院『プルサーマル推進』やらせシンポ―原発チェック役が何やってんだ!」(テレビ朝日系モーニングバード!)と伝えたのは、原子力・安全保安院が原発をめぐるシンポジウムに社員を動員するよう電力会社に働きかけていた事件だ。中部電力の浜岡原発のある静岡県御前崎市でおこなわれたシンポでは、定員524人のうち150人が電力会社や関連会社の社員で、「原発推進」を強調していた。
原発依存度の聴取会にも電力会社社員や役員が「福島原発で死んだ人はいない」などとして、原発比率をできるだけ上げるように主張した。1年たっても「原子力ムラ」の唯我独尊、世論無視の体質はまったく変わっていないようだ。(テレビウォッチ編集部)