不思議なことが起きるロンドン五輪で、今度はバドミントン女子ダブルスで、「わざと負けようとした」として選手が失格になるという前代未聞の事態が起きた。失格となったのは昨年(2011年)の世界選手権で優勝した中国ペアと相手の韓国ペア、これとは別の韓国ペアと相手のインドネシアのペアの計4組8選手だ。それぞれ、決勝トーナメントの対戦を有利にするため、意図的にミスするなど無気力試合をしたという。新聞報道などによると、世界バドミントン連盟が「勝つための最大の努力をせず、競技を冒涜した」と判断したという。
決勝トーナメント有利にするためわざと失点
中国対韓国戦を画面で見ると、たしかに両チームとも故意にネットに打ち込んだり、コートサイドに打ち込んだりするプレーが続き、会場からは強烈なブーイングが起きた。アナウンサーの榎並大二郎によると、予選リーグがA、B、C、Dと4組ある中で、各組2位までが決勝トーナメントに進むが、1位通過か2位通過かによって相手が決まるので、次の対戦を自分たちに有利にするための作戦だった。
司会の笠井信輔アナ「韓国チームも、中国チームも負けたかった?」
榎並「両者のメリットが合致したので、無気力試合をしたのではないかといわれています」
笠井「ベスト8のうち4チームが失格。前代未聞ですね」
榎並「その結果、強豪チームが失格になり、繰り上げチームが出てきてので、日本にもメダルの可能性が出てきたといえます」
笠井がロンドンの小倉智昭に「残念なニュースですね」
小倉「いえ、日本としては逆にラッキーかもしれません。日本は準決勝進出が決まっていますが、相手は繰り上がりで上がってきたカナダです。これに勝つとオリンピックのバドミントンで初めてのメダルが決まります。是非、準決勝で頑張ってほしいと思います」
決勝トーナメントでの対戦相手や競技会場、選手の疲労などをにらみ、さらには金メダルまでの試合を見通しながら予選での戦い方を考えるのは作戦のうちだが、はじめから「負け狙い」の露骨なプレーは論外ということだろう。