ロンドン五輪で、なでしこジャパンに続いてサッカー男子日本代表が優勝候補のスペインを1―0で破り大金星をあげた。試合前半後にロンドンに到着し試合を見ていないというキャスターの小倉智昭が、結果を聞いて自慢げに「私の予想どおりでした」と笑う。
「負けは残念だが大量得点避けられた」「大量得点されて終わる試合だった」
試合を決めたのは前半34分。右コーナーキックから弧を描いて入ってきたボールをFWの大津祐樹(22)が体ごと割って入って右足で会心のゴールを決めた。
大津は6日前の21日(2012年7月)にスペイン戦を想定して行われたメキシコ代表との親善試合でも見事なロングシュートでゴールを決めており絶好調だ。
ただ、今後の課題も明らかになった。何度となく追加点のチャンスがありながらゴールを決め切れないもどかしさが目立った。そこをスペイン紙がこんな表現で皮肉った。「日本のミスシュートのおかげで、負けたのは残念だが大量得点は避けられた」(エル・パイス紙)、「もうすこしで大量得点されて終わる試合だった」(エル・ムンド紙)
「勝因は守備をサボらなかったこと。プラン通りのサッカー」
元日本代表の金田喜稔は「試合に勝てたのは、スペインのスタイルと似ているメキシコ戦で慣れ親しんだことがものすごく大きい。ショートパス主体のスペインサッカーに対抗できた。今回は奇跡ではないんです。実力です」という。
笠井信輔アナ「国際試合でスペインに勝ったのは初めてですね。試合自体はどこがよかったのですか」
金田「いまの日本は全体で守備をサボらない。組織的守備ができるのがものすごく大きかったですね。スペインにゲームを支配されることは分かっていました。レベルが高いですから。ただそこから先、きちっとした守備でシュートエリアでシュートを打たせない、最後のところで体を張る。そしてボールを奪い、時間をかけないで相手ゴールにボールを運んで行くという狙いはできていました。プラン通りのサッカーができたのは日本なんです」
次の試合は小倉が「アフリカ地区で2位ですから侮れないですよ」というモロッコ戦(30日午前1時)だ。勝てば3大会ぶりの決勝進出が決まる。