ヤンキース電撃移籍会見からわずか3時間後、イチローはそのままホームからアウエーに移ってマリナーズ戦でヤンキースデビューをした。この電撃移籍のウラに何があったのか。無邪気に「ニューヨークでも頑張れ!」とはいえない現実があった。イチローにとっては辛い移籍だったのかも…。
厳しいヤンキース地元「打撃期待していない。盗塁や守備だけ」
スポーツジャーナリストの永谷脩がこう語る。「イチローは年間200本安打へのこだわりが非常に強かった。メジャー入りのあと200本をクリアし続けたが、その選手が200本を打てなくなって、優勝争いの緊張感のないチームにいても…と考えたのではないか」
受け入れたヤンキースの地元、ニューヨークのマスコミはどんな反応だったのか。ニューヨーク・ポスト紙は「イチローのトレードは名前だけで内容はない。(イチローを)獲得する意味はあったんですか」と厳しい意見を掲載した。これには小倉も怒って「誰だ!連れてこい」
ウォールストリート・ジャーナル紙は「イチロー、ニューヨークへエスケープ」の見出しで、「ヤンキーズは打撃を期待していない。盗塁や守備をやってくれれば十分」とやはり辛口の論評だ。小倉の怒りはいよいよ高じて、「200本安打は途切れたとはいえ、われわれ日本のスーパーヒーローに対し、ニューヨークのあの記事は何だ」
見返すには短気決戦での活躍
気を取り直した小倉がマリナーズの反応についてこんな話をした。「あれだけの選手だからマリナーズも相当ショック、動揺かなと思ったけど、案外そうではなくて、『マリナーズにイチローの居場所はすでになかった』という人もいるし、『イチローの名前を聞くだけでヘドがでる』と話している元同僚もいるという」
田中大貴アナ「その元同僚がマスコミに話し、イチローがかなり悩んでいたと聞いています」
永谷は「主砲はたくさんいるが、足を使える選手はいない。ワールドシリーズなどの短期決戦でいかに活躍できるか、価値が注目される」と語った。