丹羽中国大使「東京都の尖閣諸島購入」懸念―日中関係に重大な危機

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   石原東京都知事が進める尖閣諸島の購入計画について、丹羽宇一郎中国駐在大使が英紙のインタビューで「実行されれば日中関係に重大な危機をもたらすことになる」と発言していたことが明らかになった。小倉智昭キャスターが番組オープニングトークで、「東京新聞」(2012年6月8日付)が伝えた英国の「フィナンシャルタイムズ」(7日付)のインタビュー記事を取り上げたものだ。

藤村官房長「政府見解ととらえるのは間違いだ」

   「フィナンシャルタイムズ」のインタビューは今月1日に北京で行われ、丹羽大使は「過去の(日中友好の)努力を水泡に帰すことであってはならない」と指摘し、日中関係の今後に強い危機感を示したという。尖閣諸島については「わが国固有の領土で、領土問題は存在しない」という日本の立場を明らかにしている。

   この丹羽発言について、藤村官房長官は「大使の発言を政府見解ととらえるのは間違いだ」と打ち消したが、日本を代表する大使が外国メディアに政府見解と異なる発言をするのはいかがなものか。

伊藤忠商事の元社長で2年前に特命全権大使

   丹羽は伊藤忠商事の社長、会長を務めた元商社マンで、日中経済関係強化・推進のために2010年6月に、在中国の特命全権大使に任命された。

   小倉は「商社マンで、日中の経済発展にも寄与された方ですから、お立場から分からないではない。あまり性急な動きはしてほしくないというお気持ちだったのでしょう」と擁護したが、この手の政府要人の発言は、一度口にしたら簡単に消えるものではない。それを承知で東京都の購入の動きに圧力をかける意図があったと取られてもやむを得まい。玄葉外相は処分を考えていないというが、そんなケジメのなさでいいのか。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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