中谷文彦アナが驚くべき数字を報告した。「去年1年間で、ある日突然消えた子供が1191人(2011年度)もいるんです。住民票を残したまま、学校に教科書を置いたまま行方が分からなくなった『居所不明児童生徒』で、小学生で855人、中学生で336人と増えています」
2年前、小学3年生の児童が始業式の日から消えた。担任の女性教諭は心配になって児童の家に行ったがもぬけの殻で、「鍵はかかっていませんでしたし、夜逃げのようで。お母さんの携帯電話は切れたままだし、お父さんは仕事場を欠勤、それ以降、行方不明のままです。とても心配ですが手立てがなにもなくて」と話す。
夫のDVや派遣切りで各地を転々
「消える子ども」が増えているのは何が原因なのか。「ルポ子どもの無縁社会」の著書があるノンフィクション作家の石川結貴さんはこう分析する。「経済的困窮と夫のDV(ドメスティック・バイオレンス)から子供を守るため、そして多いのは非正規雇用で派遣切りにあって各地を転々としているケースです。この場合、会社の寮に住み付くために子供の存在まで隠すので、学校はもちろん子供は部屋から出られないんです」
「消える子ども」は首都圏に多い。中谷文彦アナは「愛知(272人)、東京(200人)、大阪(153人)、神奈川(142人)など首都圏で約8割になっています」と説明する。
石川さん「(都会には)ネットカフェやカプセルホテル、あるいは保証人のいらないアパートなどがありますし、だからこそ行方不明の子供が出やすい環境なんです」
内閣府の調べでは、結婚した女性の3人に1人が夫からDV被害にあっていて、母親と一緒に避難する行方不明児童が増加していると推察している
(磯G)