福島県南相馬市で、路上など至るところに点在する「黒い物質」から高い放射線量が計測されたという。「黒い物質」といっても、なんだかよくわからないが、「雨が降ってるときはじとっとしているが、乾けば粉のよう」(井口成人リポーター)で、ノリ状、砂鉄などとも表現される。見たところ、粉状の黒鉛のようでもある。
セシウム吸収した「地衣類」―雨に流れ乾くと飛散
去年12月(2011年)、市民団体の依頼によって、神戸大学大学院海事科学研究科の山内知也教授がこの物質を調査した。その正体は、雨が降ったあとに生えてくる菌である「地衣類」の一種と見られるという。セシウムを吸収しやすい性質で、それが道路脇などにたまり、高い放射線を出しているらしい。
放射線量は最大で1キログラムあたり約109万ベクレル。現在、8000~10万ベクレルのものはコンクリート詰めにして処分する話が出ているが、「これはもう一桁上。それが街中に落ちていることになる」(山内)
これから春一番が吹けば、飛散して、吸い込んだり、家のなかに入ってくる心配があるそうだ。
文
ボンド柳生