「首都圏直下型4年以内に70%」ヤマ勘だって!?地震ムラの「予知モドキ」

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460億円の予算牛耳る東大地震研のアリバイ作り

「だからね。その数字に意味はないって何度も言っているでしょ。五年~七年というのも僕のヤマ勘ですよ、ヤマ勘!」

   これは東大地震研究所の平田直教授が「週刊文春」の取材に答えた言葉である。平田が一躍有名になったのは、読売新聞が1月23日付でスクープした「首都圏直下型 4年以内に70%」の発信元になったからである。

   これを受けて大騒ぎになり、他紙や週刊誌、テレビが追随した。平田も連日メディアに出て「解説」したため、首都圏はパニック状態になっているのだ。その数字がヤマ勘だった?

   数字に対する異論はさまざまに出ている。京都大学防災研究所の遠田晋次准教授は明らかにこの数字は高すぎるとし、震災から今年(2012年)1月21日までに首都圏で起きたM3 以上の地震回数から、東大と同じと思われる計算方法でM7 地震が起こる確率を計算してみたところ、「五年以内に起こる確立は28%」になったという。なぜこんなに開きが出るのか。東大がとったデータは震災から9月10日までで、関東で頻繁に地震が起きていたときのものだったからだ。その後、地震の回数は減っている。

   批判は身内からも出ていて、地震研のホームページには「平田直教授の伝え方、あるいは記事の書かれ方のいずれかの問題によって、(略)正確でない表現や記述不足がありました」と名指しで批判されているのである。

   平田教授のいい訳は省くが、日本の今年度の地震調査研究関係予算は135億円で、来年度の概算要求額は460億円を超えるが、それを牛耳っているのが東大地震研なのだ。だが、地震研は地震観測一辺倒で、阪神淡路大震災が起きたときでさえも、「予知は不可能だから、地震現象の基礎研究に重点を移す」としてしまった。

   東日本大震災が起きて「地震学者たちは何をしていたのか」という批判が出てきたため、あわてて「予知モドキ」を出てきたのだそうだ。つまり、自分たちのアリバイ証明として派手な花火を打ち上げたということらしい。原発事故で原発ムラへの批判が噴出したが、地震ムラも東大地震研が牛耳っていて、「成果をほとんど挙げなくても、潤沢な予算を得ることが出来たのですから、学問として発展するはずがありません」(島村英紀・元北大地震火山研究観測センター長)

   こうした連中のひと言で右往左往する自分が情けないが、何はともあれ10年ぐらいの間に大地震が来ることは間違いないようだ。いい加減な地震予知などで一喜一憂せずに、いつ来てもいいように寝室のタンスやテレビなどを固定し、非常時用の食料、水の用意、家族との集合場所などは決めておく必要がある。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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