「埋蔵電力を売れ!」日本製紙グループが進める発電ビジネス

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   昨今はいろいろな試算の数字が物議をかもしているが、電力の過不足についての試算もとかく議論の的のようだ。電力供給が相当に厳しいといった試算があれば、それは原発稼働の必要性を強調するための過少申告であるとか、甲論乙駁。

   いずれにしても、原発は震災前まで日本の電力の3割を担ってきたという。電力的には、原発を稼働させたほうが安定する。といって、震災の教訓を考えれば、それは妥当とは思えない現状である。

   国内が長期的に電力不足に陥る危険も叫ばれるなか、番組によれば、電力不足や料金値上げはチャンスとばかり電力ビジネスに乗り出す会社もあるという。今回の放送タイトルは「動き出した電力ビジネス」である。

原発1・7基分の170万キロワット

   電力事業とは無縁の企業も、この機に電力ビジネスに参入してきているという。紙の生産量日本一という製紙会社、日本製紙グループである。

   全国の工場に、紙を生産するための強力な発電装置があり、全国で170万キロワットの発電量があるという。これは原発1.7基に相当するそうだ。

   エネルギー事業推進室を立ち上げて、全国の工場を点検。埋蔵金ならぬ埋蔵電源を掘り起こそうというわけだ。生産停止中の工場などにある発電設備を動かしたり、紙の製造がとまっている間にも発電装置だけはフル回転させ続けるなどして、大々的に電力を売るつもりらしい。

「持てる力を有効に発揮できるチャンスです。フル活用する機会が出てきたのかなと」「発電で収益が上がる可能性が見えてきた。これから大きな強みになるのは間違いないのでは」(推進室室長)

   このほか、太陽光(パネル)など、再生可能エネルギー推進の動きも急だが、この手の発電は自然任せのため、安定した供給がむずかしいという問題があるという。

ボンド柳生

NHKクローズアップ現代(2012年2月7日放送「動き出した電力ビジネス」)

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