「北朝鮮テレビ」看板アナ後継者決まった!?女優出身のリュ・ジョンオグ

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   北朝鮮の金正恩体制が発足して1か月。朝鮮中央テレビも世代交代したようだ。長く看板アナウンサーだったリ・チュンヒさんは姿を見せなくなった。「フカボリ」コーナーでその後継者と北朝鮮のアナウンサー事情を探った。

アナウンサーになると服やニワトリ、キジ、酒も別途支給

   リさんは今月23日(2012年1月)、中国メディアの取材に「後輩たちもたくさんいるので、画面に出る人は美しくて若い人の方がいい」と語っていた。「そこで、われわれは徹底的に朝鮮中央テレビを見続けました」とアナウンサーの笠井信輔。「その結果、7人の若いアナウンサーを確認できました」。写真を見ると、なかなかの美人揃いでモデルのような美人もいるし、安定感のあるベテランもいる。

   かつて朝鮮中央テレビで働いていた脱北者によると、女性は55歳で退職する。リさんも13年前に退職していたが、金総書記のお気の入りだったため、重要な場面で出演していたという。現在、朝鮮中央テレビには30人のアナウンサーがいて、仕事はニュースを読むほか、動物園の紹介や全国中学生クイズ大会の司会をしたりする。

   北朝鮮でもアナウンサーはあこがれの職業だ。華やかさだけでなく、給料のほか別途支給があり、ジャケットなどの衣料品やニワトリ、キジ、酒などの食料品が支給される。当然、狭き門で、(1)専門の大学を卒業(2)話術コンクールで上位入賞(3)俳優からの転身といった条件があり、採用されるのは年に1人か2人だ。

言い間違えたら「降格」「粛清」

   アジア放送研究会の山下透会長によれば、リさんの後継者と見られているのは、最近、声明文などを読んでいるリュ・ジョンオグさんという。リさんと同じく女優出身だ。女優出身が重用されるのは、ニュースの内容に沿った伝え方が要求されるので、演技力、表現力、伝達力が必要だからだ。

   北朝鮮のアナウンサーの教科書というべき「放送員話術書」というものがある。それには「報道話術の使命は正確に知らせることである」とある。この点は日本と変わらないが、「要請文、糾弾の形象は雄弁的でなければならない」「いかなる場合であれ、アナウンサーは言葉から気迫を失ってはならない。敵との闘争においては鋭利な攻撃武器となることを要求する」など、お国ぶりを表すものもある。

   役割が重いだけに失敗は許されない。金日成主席死亡のとき、涙を見せず伝えたアナウンサーは一時降板させられた。金日成の死を金正日の死と間違えたアナウンサーは、その後姿を消したという。

   コメンテーターの竹田圭吾(国際ジャーナリスト)は「まあ、アナウンサーというよりアジテーターですからね。ウソをつかなければいけない仕事ですよね」と突き放した見方をしていた。

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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