政府は首都圏で起きる大地震で、「マグネチュード7クラスが起きる確率は今後30年以内に70%ある」と発表しているが、東京大学地震研究所ではこれを大きく上回る数値を発表した。「今後4年で70%」という驚愕データだ。
この大ニュースが1月23日(2012年)に読売新聞に載った直後から民放はワイドショーなどでこぞって取り上げているが、「あさイチ」も伝えた。「この『今後4年以内に70%』という数値の根拠は何かを取材しました」と小林孝司アナが報告した。
地震死亡の8割は家具転倒と建物崩壊
首都圏を襲う大地震の被害は、死者1万1000人、倒壊家屋85万棟。経済的損失は112兆円と国は試算している。こんな惨事が『4年以内に70%』の確率で首都圏を襲うというのだから、ことは深刻である。
なぜ4年以内なのか。このデーターをまとめた東京大学地震研究所の平田直教授が説明する。
「小さな地震の回数に比例して大きい地震が発生するという『グーテンベルグ・リヒターの法則』が当てはまります。南関東で見れば、東日本大震災以後にM3クラスが100回、M4クラスが10回、M5クラスが1回起きています。小さい地震が頻発している今、大きい地震が発生する確率も高くなっています」
「震災の前と後でM3以上の地震の発生頻度は震災後に7倍に増加していますし、政府の30年以内での数値に置き換えると、南関東での大地震の確率は98%にはね上がります」と小林アナが補足した。
東京消防庁が震度6で「防止具」テスト
4年以内に70%というのは、4年後に大地震が来るということではもちろんない。きょう明日起きるかもしれないということだ。となると、まずは家の中の防災を1日も早くやっておくということになるだろう。地震での死亡の8割は家具の転倒や建物の倒壊によるものだ。
家具の転倒を防ぐのには、床と家具の間にいれるストッパー、家具と天井の間にかませるツッパリ棒、壁と家具を固定するL字型金具がある。東京消防庁はこの3種類が震度6強の揺れでどう耐えるか実験した。
「ストッパー」はまったく役立たず。揺れて2~3秒後に棚は倒れてしまった。「ツッパリ棒」も揺れると簡単に外れてしまう。「L字型金具」は揺れで棚が浮き上がったが倒れなかった。
小林アナ「ただ、L字型家具や壁に穴を開けなくてはならないので評判が良くないんですね。ストッパーとツッパリ棒の合わせ技だと倒れませんでした」
とりあえず、急いでこれはやっておいた方がよさそうだ。
(磯G)