「4年以内に首都直下型地震」東大予測なぜか無視し続ける政府

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   マグニチュード'7級の首都直下型地震が4年以内に約70%の確率で起きる。そんな試算を東大地震研究所の研究チームがまとめていたことがわかった。政府はこれまでM7級の大地震は30年以内に70%程度の確率で発生すると発表していた。なぜ食い違うのか。「フカホリ」コーナーで取り上げた。

東日本大震災きっかけに活動活発化

   「取材してみて、本当に意外な事実に突き当りました」とアナウンサーの笠井信輔が興奮気味に話す。東大地震研の酒井慎一准教授によると、「もともと地震は小さい地震は数が多くて、大きい地震は(発生)数が少ない。それはいつも一定です。昨年(2011年)3月11日以降、小さい地震が増えたことから類推すると、大きな地震も増えるのではないか」という。1昨年9月11日から昨年3月10日までの半年間に首都圏で起きた地震は47回だったが、震災から昨年9月までの半年間には343回に急増した。こうした地震活動の活発化を考慮して試算すると、「4年以内に約70%の確率」になるという。

   震源の場所と深さにもよるが、M7級の地震が発生すれば、浅いところで震度7、深いところで5強とか6弱の地震となる。内閣府のシミュレーションによると、M7.3の地震が起きた場合、死者1万1000人、全壊・焼失85万棟、経済被害112兆円と想定される。実際に起きれば大変な事態だ。

昨年9月に研究チームが発表

   笠井「地震に対する備えがどうなっているのかという話の中で、酒井先生はどうしていまごろこれが話題になるのかと言いました。実は、この試算は昨年の9月に公表していたのです。それから4か月まったく話題にならなかった。政府が何か大きなアクションを起こしたとも聞いていない。昨日(2012年1月23日)の読売新聞が書いて初めて話題になった」と、これまで反応がなかったのが不満のようだ。

   コメンテーターの竹田圭吾(国際ジャーナリスト)は「4年以内も30年以内も、明日あるかもしれないという点では変わらない。問題はこれから防災計画をどう進めるかだ。いま大騒ぎしてもしょうがないような気がする」と冷静な受け止め方だったが、笠井は「ただ、政府は何らかの見解を語っていく必要があるのではないか」となお納得いかない様子だった。

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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