<今週のワイドショー通信簿>正月気分にどっぷり浸かっていたワイドショーに、厄介な話題が飛び込んできた。年頭の会見で「吉本興業100周年プロジェクト」を発表した吉本興業の大崎洋社長が、「島田紳助復帰待望」を口にしたからだ。大崎社長は「私たちは彼の才能を惜しむものであります。願わくば社会のみなさま、ファンのみなさま、そしてマスコミのみなさまのご理解を得て、いつの日かよしもとこうぎょうにもどってもらえるものと信じております」としゃべった。その場にいた報道陣は仰天、真意をたずねたが、大崎社長は「(吉本興業の)全社員、全タレント、全芸能人の総意」とシレッとしていた。
ワイドショーにしてみれば、話題性のある紳助がらみだけに取り上げないわけにはいかないが、吉本興業の機嫌を損ねればたちまちバラエティー番組は制作できなくなってしまう。とはいえ、大崎発言に賛同するわけにもいかない。さあ困った…。
J-CAST投票では85%が永久追放
触らぬ神にたたりなしで逃げたのはテレビ朝日系「モーニングバード」だった。大崎発言は紹介したものの、司会の羽鳥慎一もコメンテーターの松尾貴史(タレント)も「100年になるんですか。凄いですね」「100周年ということで、僕も夏くらいに芝居に出るんです」と、話はもっぱら「100周年」のことだけだった。引退から1年もたたず復帰はマズイだろとしたのはTBS系「朝ズバッ!」だ。「説明責任はたしていないのに復帰は納得いかない」(金井辰樹(東京新聞政治部記者)、「時期尚早といわれてもしょうがない」(三屋裕子・スポーツプロデューサー)とした。しかし、コメントしたのは芸能界と関係ない2人で、司会のみのもんたは「吉本は今後どうするのでしょう」とズズッと引いていた。
フジテレビ系「とくダネ!」は芸能デスクの前田忠明が、大崎発言は世間の反応を探るための観測気球だとして、「ハードルはまだまだ高い」と復帰は難しいと当たり前の解説をした。たしかに、紳助が芸能界に復帰したとしても、テレビ番組で使おうとすればスポンサーからクレームがつくだろうし、テレビ局の姿勢も問われかねない。J-CAST「TVワンクリック」欄の「島田紳助『復帰待望論』どう思う?」という設問への回答は、85%が「永久追放」で、復帰OKは1・8%だ。(テレビウォッチ編集部)