「家政婦のミタ」(日本テレビ系水曜よる10時)の制作サイドもこれほど話題になるとは予想していなかったんじゃないか。「家政婦は見た」のもじりのタイトル、松嶋菜々子の2年ぶりのドラマ主演ということで注目を集めていたが、初回でいきなり平均視聴率19・5%と20%の大台目前、2話以降も好調を維持して5話はついに22・5%。これで勢いづいて、8話はとうとう29・6%と30%が見えるところまで人気化した。大久保好男社長も「予想していなかった。脚本が素晴らしい」と手放しで喜ぶ。
21日放送まで「ダイジェスト版」「番宣番組」で前煽り
こうなると、12月21日(2011年)の最終回は是が非でも「30%超え」を達成したいと気合いが入るのも当然。なにしろ、ドラマで30%超えは2007年のTBS系「華麗なる一族」以来の4年ぶりだ。達成すれば関係者には大入り袋のドンチャン騒ぎとあって、とうとう日テレあげての「前あおり」となった。まず18日には午後2時から10話までのダイジェストを2時間スペシャルで放送、当日の21日には午後3時55分から約1時間も「番組宣伝番組」を流す。ここまでなら、これまでもどのテレビ局もやって来たことだが、「家政婦のミタ」は正規の放送時間の1時間前の夜9時から「10・5話」を放送するというのだ。10話から11話につながるブリッジストーリーで、最終回のために急きょ撮り下ろされた。もともとは中居正広のバラエティーが予定されていて、ゴールデンタイムにこれほど大幅な「差し替え」は異例だ。日テレがいかに「30%超え」に必死かわかろうというものである。
ただ、日テレにとって残念なのはストーリーからいって続編が作れないこと。ミタの過去と正体が明らかになり、派遣された家の家庭内騒動が収まればれば話は終わってしまう。最終回で30%超えが出るかどうか、最後の勝負というわけである。(テレビウォッチ編集部)