<1年前のワイドショー通信簿>さすがにワイドショーも取り上げかたに戸惑ったことだろう。歌舞伎の市川海老蔵が昨年(2010年)11月25日未明に東京・六本木で酩酊したあげく、血だらけ傷だらけで帰宅し救急車で病院に搬送されたのだ。はたして、一方的に暴行を受けたのか、酔っぱらい同士のよくある立ち回りなのか、憶測は憶測を呼んで大騒ぎとなった。
なにしろ、市川家は歌舞伎の名門だし、海老蔵は多くのテレビドラマや番組で世話になっている。新妻は元人気アナウンサーだ。どうやら海老蔵は一方的な被害者じゃなさそうとわかっても、あからさまにそう伝えるわけにはいかない。
「海老蔵『試合後のボクサー』状態 直近の公演出られるか」(テレビ朝日系スーパーモーニング)と、まずは心配して見せて、「海老蔵父に同情集まる 記者会見までさせられて」(日本テレビ系「スッキリ!!」)と、父・團十郎の口を借りて批判するなど、腰が引けた扱いだった。
「海老蔵しびれ残りそう…成田屋のお家芸『にらみ』もう無理?」(TBS系「朝ズバッ!」)と、海老蔵がかなりの重傷と伝えられ始めると、ではそこまで暴行したのはどんな連中だという方に関心は移っていった。
「海老蔵暴行の暴走グループ、メンバーに『殺人で少年院入り』も」(「スッキリ!!」)、「海老蔵暴行の26歳 六本木で『サクセスアウトロー』と呼ばれた男たち」(スーパーモーニング)と、どうやら尋常なトラブルではないとわかって、海老蔵の行状の悪さもあらためて取り沙汰される事となった。以降、年末までワイドショーは海老蔵ネタの洪水となる。(テレビウォッチ編集部)