「安全宣言」の出ていた福島県産のコメから国の基準値(1キログラム当たり500ベクレル)を超えるセシウムが検出された。このコメは市場に出ていないが、農家にとっても、消費者にとっても、残念な結果だ。今後もこうした事態が繰り返される恐れはないのか。「ニュースアップ」のコーナーで取り上げた。
自家用の米からセシウム
アナウンサーの小松靖が解説する。セシウムが検出されたのは福島市の大波地区の農家の玄米。福島県は先月(2011年10月)、大波地区の2か所でサンプル検査をしたが、1戸の農家から1キログラム当たり33ベクレル、もう1戸の農家から同28ベクレルのセシウムが検出された。いずれも国の基準値を大きく下回ったため、154戸すべての農家のコメの出荷が認められていた。
ただ、今回検出された農家は検査対象とはなっていなかった。自家用に倉庫に保管していたものを自ら検査依頼して調べたところ、1キログラム当たり630ベクレルのセシウムを検出した。これを受け、県では大波地区の全戸について調査し、実態把握と原因究明につとめるとしている。
手間や経費かかっても信頼度は上がる
司会の羽鳥慎一「検査の不安が消えないですね。先日、この番組でも抽出ではなく、全量検査をやろうといいましたよね」
それだけに、コメンテーターの玉川徹(テレビ朝日ディレクター)が力を込める。
「全部やろうと言ったじゃないですか。神経質になっている福島だけでも、なぜ全量検査をやらないのか、全くわからない。こういうことが起きると、行政が調べていたことが本当に正しいのかと消費者は思ってしまう」
玉川はさらに訴える。
「500ベクレルを超えたものだけでなく、それ以下のものもどれくらいかということを全部出してほしい」
羽鳥「全量検査をやった方がいいと思いながら、できないと思っている人がいる中で、結局、(大波地区では)やることになったのですよね」
全量検査は大変な手間や経費がかかるが、それを惜しむとこういう結果が出た場合、大きな混乱となって跳ね返る。コメに限らず、難しいところだ。