小沢裁判で明らかにされた「陸山会のカネ」還流疑惑
今週は現代が頑張っている。小沢一郎が月々妻・和子に渡している家賃が344万円だとスクープしている。東京・世田谷に広壮な邸宅を小沢は有している。この屋敷の正面左手前にある2階建ての建物は、以前から小沢の秘書や書生たちが寝泊まりする場所になってきた。不思議なことに、この物件は土地も建物も世田谷区内在住Aの持ち物になっており、小沢の妻・和子がAから借りて、和子がこれを小沢の政治団体「陸山会」に転貸ししているのだ。和子はこれとは別に私邸近くの2棟も所有していて、やはり小沢の政治団体に賃貸ししていて、両方合わせると毎月344万円にもなる。この事実は現在開かれている小沢の公判で、検察役を務める指定弁護士が冒頭陳述の中で明らかにしている。
筆者のジャーナリスト長谷川学は、これらは「東京地検特捜部が押収した記録や捜査資料が根拠になっているのは、ほぼ間違いないだろう」と書いている。さらに長谷川は、毎年恒例の新年会が開かれ小沢家の迎賓館と呼ばれる2階建ての家屋も和子名義であるという。この奇っ怪な取り引きについて、北田朝雪税理士はこう推測している。
「事務所として使うのなら、陸山会が直接、第三者から借りれば済むこと。それなのに、なぜ妻が借りて、それを政治団体に又貸しするといった複雑な形にするのか。これでは、合法を装って妻に対し政治資金を流し込んでいる、もしくは妻の名義を使って資金を自分のもとに環流させている……そう勘繰られても仕方がない状況です」
当然ながら政治資金を政治家が直接自分の懐に入れることは許されていない。だが、妻などの名義を使い、そこへ資金を迂回させれば、表面上は合法になってしまう。長谷川は「これではまるで、政治資金の『マネーロンダリング』だ」と断じる。
細川内閣時代、改正政治資金規正法をつくったのは小沢である。法の裏を知り尽くした小沢ならではのやり口ではあるが、政治資金の虚偽記載について説明責任を果たさないのは、こうしたおかしな事実があるからなのだろう。