「朝刊チェック」コーナーで、原発が15基と全国でいちばん多い福井県と原発のある4つの市町に、匿名の大口寄付が2010年度までに少なくとも502億円あったという朝日新聞のスクープを取り上げた。匿名のうち150億円分は関西電力とわかったが、自治体では「大口寄付は電力以外にない」といっており、記事は「他も電力業界の可能性がある」としている。
これも電気料金に上乗せ?
原発については、電気料金をもとにした「電源三法交付金」で、県と市町に3245億円(1974~2009年) が国を通して交付されているが、これ以外にも電力会社の金が入っていたわけだ。寄付は福井県では県立大に52億円、JRでは北陸・湖西線直流化工事に30億円、小浜線電化に57億円など。市町では展示場、病院、道路、 公園・体育館の他、用途を指定しない寄付もあった。
司会のみのもんた「どういうこと?」
与良正男(毎日新聞論説委員)が解説した。
「原発の立地では、受け入れと引き換えに電源三法交付金がある。これは電気料金が原資。寄付はまた別だが、朝日新聞が調べたら、善意の寄付じゃなくて、これも電力会社から出ていた。寄付に名をかりた交付金ではないかという話です」
吉川美代子(TBS解説委員)「これも電気料金に上乗せされている可能性もある」
みの「わかってて、当てにするという…」
与良「匿名だから、結果的に情報隠し。みな電力会社でしょう」
自治体「寄付者非公表」、電力会社「有価証券報告書に記載なし」
匿名寄付というのは、寄付者が金額や名前を非公表にできる制度。自治体は会計上は金額のみを記載。寄付者の側も、電力会社なら有価証券報告書では「諸費」に埋没する。つまり、普通では書類を見てもわからない。
とはいえ、いきなり何十億円という寄付が出て来るはずもない。ちゃんと自治体から話があって寄付になったのは間違いないのだが、誰も語ろうとしない。
みの「今度の事故の後でも、交付金を辞退するといいながら、ほとんど辞退していないからね」
与良「それがないとやっていけない」
いま原発は要らないが、金は欲しいか? それはちょっと虫が良すぎる。