そろそろインフルエンザのシーズンが始まるが、「予防接種、マスク、うがい・手洗い」のほかに、実は強力な予防法があったのだ。乾燥するとインフルエンザのウイルスは猛烈な勢いで増殖するため、部屋の中の湿度を保つことが大切なのだが、これも単なる「湿度」ではなく「絶対湿度」がカギなのだという。絶対湿度ってなんなのか――。
乾燥してなくても「水蒸気量」少ないと感染
理系出身の中谷文彦アナが絶対湿度について解説した。
「みなさん、飽和水蒸気というのはご存じでしょうか。1立方メートルの中に含まれる最大限の水蒸気のことで、気温が上がると増えますが、この飽和に対してどのくらいの水蒸気の量かを%で示したものが湿度です」
分かったような分からないような文系出身の有働由美子キャスターを尻目に、中谷アナの説明は続く。
「たとえば、湿度50%でも気温20度の時は1平方メートルの空気中に8・6グラムの水蒸気がありますが、気温5度になると3・4グラムに減ってしまいます。これが絶対湿度で、普通の湿度が同じでも空気中の水蒸気は少なくなっているのです。
これによって、人体の防護機能低下しインフルエンザに感染しやすくなります」
絶対湿度を上げることは難しいのだが、感染予防の目安にはなるという。30年間絶対湿度とインフルエンザの流行度合いのデータを取り続けてきた宮城県仙台市の庄司眞医師は「(絶対湿度が)11グラムで流行開始、7グラム以下で感染拡大になります。つまり、湿度が高くても気温が低ければインフルエンザが流行します」と警告する。