電気料金の一部が天下り団体へ流れていた。役員報酬の平均は1860万円。「ふざけるなっていいたくなりますね」と司会のみのもんた。料金に上乗せされているのは月額108円。 電源開発促進税といって基本料金に入っているのだが、明細には出てこない。「知らないうちにとられている。ブラックボックス」(吉井英勝衆院議員・共産党)。エネルギー対策特別会計の中の電源開発促進勘定の財源で、年に3300~3500億円にもなる。
原発の開発・研究、地域振興(つまり助成金)に使われているというが、「朝ズバッ!」が街で100人に聞いたら、99人が知らなかった。残る1人は料金値上げについて問い合わせたとき「たまたま知った」という。
役員の平均年収1860万円
3500億円もの金は具体的に何に使われているか。民主党のエネルギー特会検討会(花咲宏基・座長)の調べでは、2008年は3306億円のうち1667億円が8つの独立行政法人や公益法人に支出されていた。天下りは36人になる。
突出して金額が大きいのは日本原子力研究開発機構の1226億円、原子力安全基盤機構には225億円。いずれも4人の役員がいるが、みな天下りで平均年収は研究開発機構が1570万円、安全基盤機構が1860万円だ。
研究開発機構は業務の一部をさらに天下り先に丸投げしたり、安全基盤機構は業務を研究開発機構に委託したりと、仕事をころがして税金をいただく仕組みになっている。元経産省官僚の古賀茂明氏は「ひとつのところにドカンとまとめると目立つので、分散しトンネル機関にする手口」という。
みの「われわれはもっと賢明にならないといけない。愕然としました。こんなばかなことがあったんですか」
福島の除染予算もピンハネ
元経産省官僚の岸博幸・慶大大学院教授は「まあ残念ながら」という。「問題は事業に一般会計の予算も入っていることで、天下り先をさらに増やせる。いま福島で除染が行われているが、計算では予算120億円のうち30数億円くらいは日本原子力研究開発機構がピンハネしている。許しがたい」
みの「犯罪に近いんじゃない」
与良正男(毎日新聞論説委員)「典型的な丸投げ、中抜き」
岸「丸投げすると、給料を出して中抜きをして、また天下りが作れる。独法は中途半端で、役所の悪いところと民間の悪いところを足して2で割ったようなもの」
国民知らないところでお手盛り「特別会計」
みの「会計をきちっとはできないの」
岸「一般会計は会計検査もあるし、予算は財務省やっているが、特別会計は、これだと資源エネルギー庁がやっているから、お手盛りになる。だからこういう国民がほとんど知らないものは、相互扶助的に運用できる」
みの「どうしたらいい?」
岸「国民がもっと怒らないといけない。役所に伝わるように怒らないと」
みの「天下り禁止といってたのはどっかへいっちゃったんだ」
岸「自由になりましたね。定年まで働かせようと言うので、いまはこういう独法には、現役幹部が出向でいってます」
無駄遣いの構図はよくわかったけれど、岸のように自分で大学の先生になれる人ばかりじゃないからね。長年の悪弊を一気に断つのは容易じゃない。まずは怒りを、か。