マイコプラズマ肺炎の感染が、7月ころ(2011年)から急拡大している。この肺炎は普通の風邪薬がまったく効かず、医者に行っても風邪と診断されたまま悪化するケースも少なくない。悪化すると脳炎や心筋炎、中耳炎など全身に広がる怖い感染症だ。「マイコプラズマ肺炎の症状と普通の風邪の見分け方」を小林孝司アナが緊急取材で報告した。
重症化すると脳炎や心筋炎
都内に住む福田ゆき子さんと娘の瑠(るい)さん(14歳)は先月、親子でマイコプラズマ肺炎に罹り、瑠さんは重症で9日間入院した。瑠(るい)さんは最初は軽い頭痛を訴え市販の風邪薬を飲んだが、翌日から熱が出て、「40度近くの熱が全然下がらない中で激しい咳でした」(母のゆき子さん)。
とくに夜の激しい咳で呼吸困難になり、「息ができなくて死ぬんじゃないかと思いました」(瑠さん)
3つの病院に行き、それぞれで出された薬を飲み続けても「全く効きませんでした」(ゆき子さん)。
瑠さんは他の症状も訴え始めた。「耳の奥が痛くて、鼓膜の奥に水が溜まっているといわれ、それに頭がクラクラして立って歩けない状態でした」(瑠さん)。
4つ目の大学病院でマイコプラズマ肺炎と診断された。瑠さんを診察した医師木田厚端氏(日本医科大学特任教授)は言う。
「熱がある。リンパ線が腫れている。筋肉痛など多彩な症状が出るのがこの肺炎の特徴です」