セ・リーグの優勝がかかった10月10日(2011年)からの直接対決「中日対ヤクルト」4連戦は、中日にマジックが点灯して雌雄はほぼ決した。今シーズンでもっとも熱い試合だったはずだが、一部の有料放送をのぞけば、テレビの地上波、BS、さらにはラジオの中継放送もなかった。こんなことはプロ野球放送始まって以来の出来事だろう。
野球人気が下火になり、視聴率・聴取率が稼げないとはいえ、中日・落合博満監督の今季限りの引退がシーズン途中で決まり、ペナントがかかった試合で中日選手はどんな試合をやるのか、落合監督はどんな差配を見せるのか、野球ファンならずとも注目していたはずだ。ところが、どこにチャンネルを合わせても、ラジオをつけてもやっていなかったのである。
「これでは、プロ野球人気がすたれてしまうのでは? なぜ中継をしないのか、理由を知りたいものだ」(東京新聞10月13日付「芸能ワイド「反響」欄)という声が出るのも当然だろう。日本シリーズも巨人がからまない限り、テレビ中継がない可能性も高い。今年はプロ野球中継の最後の年になるのか。(テレビウォッチ編集部)