八ッ場ダム(群馬県)の建設中止は、民主党政権のマニフェスト「コンクリートから人へ」でムダな公共工事の象徴だった。以来2年、 建設を求める地元や1都5県知事と関係はぎくしゃくしっぱなしで、大臣も今回で4人目。そこへ国土交通省が13日(2011年9月)、建設是非の検証結果というのを発表した。その内容は「建設した方が安い」というもの。誰しも「ホントかよ」と聞きたくなる。
「作り続けるのが一番安い」
検証は専門家によって行われ、ダムを建設した場合と河川改修などを行った4つの場合とを比較した。その結果、治水効果に必要な経費はダム建設の方が安いと出たという。説明を受けた知事らは「これでいい。この2年間はなんだったんだ」とニンマリ、地元も「早期に建設を」と言う。
これに不快感を表明したのが、民主党の前原誠司政調会長だ。建設中止の検討を決めた時の国土交通大臣である。「当時の大臣に事前の説明がない。極めて不愉快だ。新内閣ができて10日目に出して来るとは」と反発、官僚への不信感をむき出しにした。政調会長の前原は政策の実質的な決定権を握っているから、一波乱は必至だろう。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト