震災でもつながる携帯電話―「30秒強制遮断」で通話確保

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帰宅困難者「災害用伝言板」利用率10%

   野村総合研究所・上席コンサルタントの北俊一氏は、「ライフラインにあってはならないことが起きてしまった」という。今後は移動基地局などハード面の強化と、有限である電波を分かち合って使う方策を考える必要があるという。

   あの日、東京では多くの帰宅困難者が出た。多くがやはり携帯がつながらなかった。 都心から板橋の自宅まで10キロを歩いて帰った会社員は、妻が「災害用伝言板」に安否を書き込んだのだが、夫は「伝言板」自体を知らなかった。「伝言板」の利用はわずか10%だった。

   大阪のNPOは高齢者を中心に携帯電話の使い方講習会を開いている。受講者は災害前の10倍になった。受講者のお年寄りは「命綱ですからね」という。慣れておく必要はお年寄りだけではない。東京・港区にある社員1600人 のIT企業は、震度5強以上の地震が発生すると、一斉に社員宛に安否確認のメールを送ることになっていた。ところがあの日、全員の確認ができたのは2日後だった。会社はいま社員をグループに分け、責任者を決めて、手段を問わず連絡をとる態勢にあらためた。

   北氏は「ひとつの手段ではダメ。リダイヤルはいけない。もしつながっても話は短く。伝言板を優先。次がネット」という。冷静に考えれば、どれもわかる話ばかりだ。要はどの場合は何と自分なりのシミュレーションが必要なのだろう。何もない時にやっておくこと。これが案外むずかしい。

NHKクローズアップ現代(2011年7月11日放送「携帯がつながらない~災害時の備えは~」)

ヤンヤン

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