日曜よる9時のドラマ戦争が面白いことになっている。視聴率で独走気味だったTBS系「JIN-仁-」がやや息切れして、フジテレビ系の「マルモのおきて」が猛追しているのだ。
「JIN」は前評判が高く、初回から23・7%とぶっちぎりの高視聴率、対するマルモは11・6%と「大丈夫かあ」というスタートだった。これが最新回で比べると、JIN18・8%で5%近くダウン、マルモ15・6%と4%アップして、民放ドラマの第2位に浮上した。その差3・2%まで縮まってきた。
JINは大学病院の脳外科医が江戸時代末期にタイムスリップして、庶民や要人たちの病気やケガを日本にも諸外国にもなかった技術で治療をしたりしながら、医者としての生き方に悩み、現代に帰りたいともだえるダイナミックなSFだ。マルモは独身サラリーマンが死んだ親友の子供2人を引き取り、人間の言葉を話せる犬とともに暮らすコメディードラマ。
「裏番組」は録画して後でじっくり楽しむ
「あの地震以来、ホッとするドラマや番組を見るようになってね。JINは録画して後で1人で見て、マルモは女房と見てます」
千葉県浦安で液状化現象で家が傾いたという中年サラリーマン氏はこう話す。どうやら、話が入り組んでいるJINは録画でじっくり見ようという視聴者がマルモにチャンネルを合わせているようで、それがJIN下降、マルモ上昇となっているのかもしれない。
もともとこの時間帯はTBS系が東芝日曜劇場以来54年間続けている看板ドラマ枠で、これに昨年秋、フジテレビがバラエティー番組をやめてドラマで殴り込みをかけた。これまでフジテレビ側のダブルスコア、トリプルスコアの負けが続いているが、今回はなかなかの勝負に持ち込んでいるというわけである。
JINはこれから坂本龍馬の暗殺やタイムスリップした医者が現代に戻れるかなどヤマ場を迎えるが、マルモも子供たちと犬の暮らしに別れが来そうな気配で、これまたに逃せない。はたして視聴率の大逆転はあるのか。(テレビウォッチ編集部)