崩壊後の支配部族を見極め
リビアはもともと東西で風土が違う。これに各地のそれぞれの部族がいる。カダフィは部族の対立をうまく利用して統治してきた。これをまとめて乗り越えようとしているのが今回の大規模デモだと池内氏はいう。
反体制派はいま空爆を抑えるために、「飛行禁止区域」の設定を国際社会に求めている。しかし、米もまだ踏み切れないでいる。反体制派がカダフィに取って代わるのか見極めがつかないためだ。「国民統合(部族)ができるかどうかだ」と池内氏。
イラクでもアフガンでも、体制が崩壊したあと直面したのは部族だった。リビアはこの40年間、カダフィ以外だれも国を統治した経験がない。なおしばらく、犠牲者が増えるのを見守るしかないのだろうか。
*NHKクローズアップ現代(2011年3月7日放送「攻防リビア カダフィ体制のゆくえ」)