外国「人」から献金をもらってはいけないと定めた政治資金規正法に違反したとして、前原外務大臣が辞任――。番組では、コメンテイターの鳥越俊太郎が、過去の番組などから判断するに、あまり折り合いのよろしくないゲストの山本一太自民党参院政審会長を尻目に、勢いよく自説を繰り広げていた。
鳥越曰く、外国人といっても在日韓国人は長く日本に住み、仕事をし、税金を払っており、表面的には日本人と変わらない。法の趣旨は、外国人が政治的な影響を及ぼしてはいけないということだが、焼肉屋のオバちゃんの献金にそれほどの影響力はないはずだ。一応まあ決まりだから、と事務的に返金すればすむハナシだろう。
「なぜこんなに大騒ぎにするのか」。それは「在日の人の差別につながる」のではないか。また、この問題は、在日の人たちの権利を法的にどう捉えるかという点で根の深い問題である。
「外国系企業OK 個人はNO」の矛盾
一方、規正法については、2006年の法改正で、(上場しているなどの条件付きで)外国資本50%超の企業献金がOKになった。外国企業はOKだが、外国「人」はダメというのは整合性がない、矛盾してるじゃないか――。
これに対して山本は、法改正の内容をよく把握してなかったのか、「(外国企業からの献金は)基本的にはダメなはず」と目をシロクロ。「鳥越さんの言うことは暴論、あまりに極論だ」「違反は違反」などと反論したが、気押され気味に見えた。
カサにかかって――といった感じで、鳥越はさらに攻め立てた。「福田さん、総理大臣だよ。しかも北朝鮮(系からもらって、なんで辞めなかったの?)」と、自民党の福田元総理が北朝鮮系企業から献金を受けていた件を山本に問いただした。しかし、ここで山本が「当時、『総理』じゃないですよ」と一点を突いて反撃に出たんであった。
「当時、総理じゃない!?」。往時をしのばせた鳥越節はこのとき一気に腰砕け気味になり、2人のトークバトルはそこで終了と相成った。「総理」問題も有耶無耶だったが、この点は山本が正しかったようで、問題発覚時、福田「元」総理であり、献金を受け取ったのは総理在職中ではなかったらしい。