冤罪生んできた供述偏重、物証軽視
番組に出演した村岡敬一・一橋大学教授も次のように言う。
「供述証拠に依存しない客観証拠を重視する方向に行くのが良い。ただ、それはあくまで個人のプライバシーを売り渡すことを意味するわけではない。そういう道を選ぶかどうかは国民の選択の問題だ」
村岡教授は「過去にあった冤罪をみると、物証がなかったのではなくて、供述に依存するあまり、物証価値を軽視してきたのが実態。可視化する時に一緒に代替手段が必要だというのはあまりにも短絡的だ」と指摘する。取り調べに携わる検察官や捜査員の目の付けどころ、教育の問題というわけだろう。
最近、拾った財布をネコババした疑いで取り調べられた男性が、その様子を秘かに録音したテープが公表された。捜査員が口汚くののしる様は取り調べとは程遠かった。
モンブラン
*NHKクローズアップ現代(2011年3月1日放送「どこへ向かう検察改革」)