ようやく到着した救助隊に「足を切るぞ!」と宣告され、「あとは麻酔で分からなくなった」という。
ニュージーランドのクライストチャーチで起きた地震で、倒壊したキングスエデュケーションがあったビルから9時間後に救出された富山外国語専門学校1年生の2人の学生が、生々しい極限状態の体験を語った。
足と骨盤を骨折した女子学生(19)は地震発生の瞬間は、昼時でカフェテリアにいた。 「すごく揺れて、机の下に避難したが」そのまま足元の床が落ち、「何も見えなくなった。ヘリコプターの音は聞こえていましたが…」
数十分後、「友達が話しているのが聞こえました。『先生が助けを呼んでいる。息をするだけでいい』という声が聞こえるのも分かりました。動けなくて痛くて、(自分は)何も言えなかった」という。
「足切るぞ」にも「だいたい覚悟」
この声を掛けたのが、右足のひざ下を切断した同級生の奥田建人さん(19)だった。
「普通に、落ち着こうみたいに8~10人ぐらいに声をかけた」
このあと携帯電話を取り出し、「兄ちゃん『警察に電話して』と電話したら、折り返し大使館から電話がかかってきたので携帯電話を先生(亀遊友子先生)に渡した」という。
この電話をきっかけにビルの救助活動が進んだようだ。まず、女子学生が「救助隊の声が聞こえたので、『ヘルプ』といって」助けを求めたという。
奥田さんのところへも救助隊が到着したが、思わぬことを言われた。
「足を切るぞ」
奥田「あとは麻酔をかけられて分からなくなった。最初は痛かった足がだんだん感覚がなくなった。足を切断することはだいたい覚悟していた。取りあえず命があったので、助かってよかった。まだ助かっていない人を早く助けてほしい」
キャスターの小倉智昭「よく頑張ったねえ。奥田君は気丈な青年ですが、彼が持っていた携帯電話がなかったら、ひょっとしたら救出が遅れていたかもしれないね」