ズワイカニ漁はいまが最盛期だが、「全然ダメ、年々カニが取れなくなり、今年は去年よりも少ない」と漁師たちは悲鳴を上げている。
原因は乱獲でカニ資源が枯渇し、日本の排他的経済水域内(EEZ)にまで密漁にやってくる韓国。番組リポーターの立花裕人がその最前線を取材した。
乱獲で枯渇し海域侵犯
韓国の密漁船が横行しているのは隠岐島沖の水域。水産庁の取締船が警戒しているが、その動きをいち早くキャッチするため、最近の密漁船はレーダーマストを高くしたり、監視役を立てるなど巧妙になり、イタチごっこが続いているという。
かつては日韓のちょうど中間にあたる竹島周辺がズワイカニの漁場だった。この海域は1999年に竹島の領有権問題にからんで「暫定水域」が設けられ、日韓両国が漁ができるようになっていた。ところが、いまは韓国漁船の独占状態という。原因は小さいカニまで根こそぎ持っていく漁具の違い。
韓国漁船は数キロにわたり海底を遮断するように網を張る「底刺し網」やカニが1度入ると外に出れなくなる「カニかご」と呼ばれる固定式の漁具を使っている。
日本の漁船は移動式の「底引き網漁」で、これだと韓国の漁具を引っ掛け訴訟問題に発展しかねないため、日本の漁船は暫定水域に近づかなくなった。韓国漁船にしてみれば、穫りたいだけ獲れるわけで、その結果、乱獲で暫定水域のカニ資源が枯渇してしまった。そこで、まだ豊富な隠岐島沖に密漁にやってくるというわけなのだ。
ここでも及び腰―政府・水産庁
この水域を監視している水産庁境港漁業調整事務所の新村耕太監督課長は、「韓国は資源管理に対する意識が日本の漁業者に比べ低いことも影響している」とまるで他人事のようで、但馬漁業協同組合の吉岡修一組合長は「協定があるんだから平等に操業できる仕組みを国が考えるべきだ」と怒る。
取材した立花も「最近の政権は韓国に対し主張しなさ過ぎるのではないか」という問いかけに、テレビ朝日コメンテーターの三反園訓はこう話す。
「漁具など政府間で話し合えば済むのに、今の日本は外交能力、対応力が低下している。漁業者は泣き寝入りですから、これではダメですよ」
自国の領域もきちんと守れない無能外交で、日本海は密漁船で荒れ放題だ。