借金地獄に陥り、やむにやまれず派遣型風俗店に勤めるごく普通の主婦が増えているという。原因は昨年6月(2010年)から施行された改正貸金業法。一家の食い扶持を得るため、娘が苦界に身を沈めたのは昔の話とばかりは言っていられない似たような話である。
「スパモニ」は規制強化の抜け穴として、新たな「ソフト闇金」と称する闇金が横行、主婦がいかがわしい風俗店に身を置かざるを得ない実態を取り上げた。
改正貸金業法で生活費補填できず
都内の雑居ビルの一室にある派遣型風俗店事務所。ここで待機するこの主婦(38)も、5か月前までは風俗店には無縁の2人の子を持つ普通の母親だった。10年前に夫を病気で亡くし、飲食店の正社員として女手一つで2人の子供を育ててきたが、4年前に飲食店が倒産。以来、パートなどの仕事をしながら、一時的な生活費の補てんにクレジットカードのキャッシングなどの借金をしながらやり繰りしてきた。
そこへ突然の改正貸金業法の施行。パートの仕事もなくなり5か月前から派遣型風俗店で働き始めた。主婦は「子供たちを食べさせていかねばならないし、借金も返さないといけないし…。最初は抵抗があったが、だんだん慣れてきた」という。
改正貸金業法は多重債務を減らす目的で、クレジット会社のキャッシングや消費者金融からの借り入れの上限を年収の3分の1に制限。収入のない主婦が借り入れる場合は、夫の同意書か年収証明書が必要となる。
件の派遣型風俗店従業員は、「改正貸金業法が施行された昨年夏以降、面接に来る奥さんが増えましたね。在籍者は100人近くいて、大半が主婦で家族持ちです」