<フリーター、家を買う。(フジテレビ系12月7日夜9時)>嵐の二宮和也主演ドラマの8回目。平均視聴率16・5%、最高視聴率17・7%と好調に推移している。人気の理由は、いまどきの若者を二宮が実に巧みに演じているからにほかならない。
入社3か月で就職先を辞め、土木のバイトを始めた誠治(二宮)。職場にも慣れ、職長(大友康平)に新しい仕事を任されて鼻高々だ。いつも自分を信頼してくれる鬱病の母(浅野温子)のため、引っ越し費用100万円を貯めるのが今の目標である。
ソリの合わないの父(竹中直人)を罵倒した翌日、居酒屋でボヤいたら、いきなり職長に怒鳴られた。
「何様のつもりだ。おやじさんを言い負かして勝ち誇ってんじゃないよ」
その晩、父に謝るが、スルーされて落ち込む。「照れてんだよ。中年おやじは素直になれない。お前が頼ってやれよ」という職長の忠告通り、人生の先輩である父に教えを乞う。
視線定まり目の色変わり生き生き…
今回の見せ場は2つ。就職試験突破のため、父子が一致団結するところ。父が履歴書の書き方、面接試験の注意事項を伝授する。「人生はいつだってやり直せる」というテーマのために、ダメダメ人間に描かれて来た誠次。ここでも突っ返された履歴書を再利用する常識ハズレに描かれる。「どこに出してもいい無難なことを書くな」「前の会社の悪口を絶対言うな」「丸暗記したことを言うだけじゃダメだ」など、就活必勝法を網羅する。
2つ目の見せ場は、面接官に今のバイトが長続きしている理由を説明するうち、己を見つめ直していくシーン。面倒を嫌い、当たり前のことに手を抜き、傲慢の塊だった自分が仲間によって変わったことを気づかされる。二宮の演技は出色だ。演技してます感ありありの海老蔵会見と違い、素直で自然だ。話すうちに泳いでいた視線が定まり、目の色が変わり、生き生きしていく。しゃべりきった後、はっと我に返る様は、正に役にハマった瞬間だった。
12月21日の最終回(20分延長)は相葉雅紀が友情出演する。20%越えなるか。
知央