NHK「週刊こどもニュース」終了―経費節減のあおり?

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   NHKは16年半続いてきた総合テレビ「週刊こどもニュース」を12月19日(2010年)の放送をもって終了すると発表した。お父さん・お母さんと子供3人の家族が、そのときどきの時事ニュースや学校での出来事を解説したり、出かけて行ってレポートしたりする内容で、「世の中まとめて一週間」「今週の大ハテナ」などのコーナーがあり、模型や図表を使ったわかりやすさに定評がある。

   民放の情報番組担当者は「ニュース解説のお手本のような番組ですよ。実は、あれで勉強しているキャスターやコメンテーターは多いね。実際、スタッフも大人版に作り直してパクったりしてますから」と話す。最近のテーマを見ても、「COP10日本の役割は何?」「尖閣諸島で何が問題に?」「事業仕分け 特別会計って?」と硬派の話題が並ぶ。

手間も金もかかる

   番組スタートからしばらくは毎週日曜午前に放送されていたが、2000年から土曜夕方6時台に移り、今年から再び日曜朝8時5分からに移動した。NHKの日向英実放送総局長は番組終了について、「こどもニュースといいながら、実際の視聴者は高齢者が圧倒的に多いため」としているが、テレビ業界では経費節減のあおりじゃないのという見方が多い。

「たしかに、日曜朝にしてから裏番組の『仮面ライダー』(テレビ朝日系朝8時)に食われてはいるけれど、土曜日の6時10分からの放送だったころから、夕食の準備を待っているおじいちゃん、おばあちゃんが孫と一緒に見てた『高齢視聴者番組』なんですよ。
放送までに出演者じゃない子どもを集めてきてお父さん役が解説し、ここがまだわからないという感想が出たところを何度も作り直していくんです。模型なんて本番直前に完成という綱渡りですよ。手間も費用もかかるわけで、減益のNHKとしては制作予算を削りたいということでしょう」(テレビ関係者)

   NHKが公表した「番組制作費」によると、週刊こどもニュースは1本あたり710万円かかっている。これに局アナやスタッフの人件費も加わるわけだから、子どもが見てくれない「こどもニュース」はもう作り続けたくないということなのだろう。

   後継番組として、家族で見られる「ニュース深読み」を来年1月15日から土曜朝に放送するが、むずかしい用語を使わない子ども向けの平易な解説だったから人気があったわけで、子どもも親も年寄りもみんながわかると欲ばった途端に、凡庸な時事解説番組になってしまう懸念は強い。「こどもニュース」のまま土曜夕方に戻すのが賢明だと思うのだが…。(テレビウォッチ編集部)

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