アジア席巻するK-POP タレント発掘のため世界中で多額投資

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   このごろ、KARAや少女時代を筆頭とする韓国出身のK-POPアイドルがメディアの口の端に上らない日はないだろう。今年(2010年)は25組のK-POPアーティストが来日したという。

   「クローズアップ現代」によれば、こうしたブームは日本特有の現象ではなく、K-POPは台湾、シンガポール、タイなど、アジア各国で広汎に熱狂を呼び起こしているという。耳にタコができそうな話だが、この分野でも日本はまたしても他の国に取って代わられてしまったのだった。

   「日本の歌手は知りません。『少女時代』は知ってます」(タイ人男性)といった具合で、「アジアの音楽チャートをJ-POPが席巻していた時代は終わり、この数年でK-POPが占めるようになった」(音楽ジャーナリスト・古家正亨)のだそうだ。

   「東方神起」や「BOA」「少女時代」などを売り出した韓国最大の芸能プロダクション「S.M.エンタテインメント」のキム・ヨンミン代表が言うことには、「アジア市場で広く人気を得るには理想的なスタイル」であり、言葉が異なっても楽しめるパフォーマンス力のあるダンス音楽に傾注している。

10万人審査して合格者は数人

   キム代表は「一般企業の研究開発と同じように、タレント発掘育成のため多額の投資をしている」と豪語する。新人発掘には年間2億円を投じて世界中で人材を探す。10万人を審査して、合格者はわずか数人だという狭き門だ。

   晴れて練習生となると、1日5時間、最長で7年間の徹底したレッスン、トレーニングが待っている。

「(練習生時代は)1日4時間ぐらいしか寝られなかった。朝は練習室の掃除からはじまり、少なくとも10時間は練習していた」(ユンホ・東方神起)

   デビューが近づくと、進出する国の言語の勉強などを行うそうだ。これも、おそらくは、聞き流すだけといった簡単な内容ではなさそうだ。

   発掘にカネをかけ、スパルタ教育をほどこす――。これは程度の差はあるにせよ、昔ながらの日本的アイドル育成システムでも聞く話ではある。ただ、世界から人材を集め、デビュー前から海外活動を織り込むというのはあまり耳にしない。

   この点、古家によれば、もともと韓国内の音楽市場が小さいうえに、近年CD販売が極めて不振といった事情もあり、海外に目を向けざるを得ない。そうした、言わば背水の陣が逆に奏功しているのではないかという。

   また、CD売り上げだけでなく、コンサートやイベント、テレビ出演といったトータルのパフォーマンス活動で儲けていくといった考え方を取っている。著作権問題などで、アジアの他国進出に慎重になることの多い日本芸能とは対照的だという。

   ところで、番組が日本発のコンテンツに目を向けてみると、日本のアニメはいまだ外国で人気が高く、そうしたアニメの主題歌などの「アニソン」も高評価だそうだ。結局、音楽も活路は「二次元」ということになるのだろうか。

ボンド柳生

*NHKクローズアップ現代(2010年11月16日放送「韓国アイドル旋風の舞台裏」)

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