八ッ場ダム方針転換…でも、最後は「中止の中止の中止」か

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   民主党政権の「ブレ」は枚挙にいとまがない。馬淵国土交通大臣の八ッ場ダムに関する発言もその1つ。「一切、中止の方向性という言及をしない。予断を持たずに再検証する」と言ったのである。前原前大臣が「マニフェストに書いてあるので中止する。生活再建はきちんと行う」と述べたのと比べると、「方針転換」であることは間違ない。

馬淵国土交通相発言の裏読み

   コメンテーターの鳥越俊太郎(ジャーナリスト)は、アタマから中止とした前原よりも、根拠を明らかにして検証するという馬淵のやり方の方が、手堅くわかりやすいとする。そして、「最終的には中止の結論に導くのでは」と見る。

   これに森永卓郎(経済アナリスト)が反論した。

「馬淵大臣のやり方は不誠実ですよ。普天間移設でも、鳩山前総理が少なくとも県外と言ってひっくり返して徹底的な不信感を持たれた。馬淵発言で推進派は喜んでいますが、これからまたひっくり返して中止したら、地元の不信感は決定的になってしまう。前原さんのようにストレートを投げた方が誠実じゃないでしょうかね」

   吉永みち子(作家)は民主党政権の姿勢そのものに疑問を呈した。

「最初にアドバルーンをあげるのはいいのですが、公共事業の見直し、普天間問題、尖閣諸島など、重い決定をするときに前の検証が浅すぎますよ。結局、維持できなくて混乱、不信を招くだけです」

   鳥越が民主党をかばう。

「それは政権交代が行われるときに付随して起こる、しかたないこと。野党時代は情報が少ない中で決めて行く。政権をとって情報に接して、違うなということで訂正していかざるを得ない」

   吉永と鳥越の論争はこの後も続いたが、吉永に勢いが感じられた。民主党政権は「訂正」が多すぎるのだ。

文   アレマ| 似顔絵 池田マコト
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