<ナサケの女~国税局査察官~(テレビ朝日系木曜夜9時)>10月21日(2010年)の初回を見る限り、エンディングになぜ米倉涼子が踊るのか、なぜ中園ミホは「ハケンの品格」と同じスタッフが多い「黄金の豚」でなく、こちらで脚本を書いたのか(どちらも査察モノで、主演が『涼子』なことで話題ですよね)。面白かっただけに、そんなギモンを感じてしまった。
武田鉄矢オカマバーのママ楽しみ
腕を買われて、西伊豆の税務署から東京国税局へ異動することになった松平松子(米倉涼子)が、脱税者を容赦なく追い詰めるというマルサの女的話。ナサケが『ある』女ではなく、ナサケ容赦ない女である。
上司を「ボンクラ」と言い放ち、まわりはスーツなのに、なぜか一人だけ私服。チームプレイはせず自分勝手な単独行動。そんな松子のような人間、いくら有能でも実際にいたら一緒に働きたいとは思わないが、米倉演じる松子は格好よく見える。「脱税する奴は、日本の道路を歩くな」と、熱い思いを抱えながら孤軍奮闘。脱税者を追い詰める手立ては鮮やか。スタイルが良いからまた、ドレスとか着ても似合う似合う。
脱税はもちろん大罪だが、脱税者の「どうせ税金払っても無駄に使われていくだけ」といった言い分も、まあわからなくはない。松子に容赦なく追い詰められた脱税者は、まるで蛇ににらまれた蛙、猫(というよりはライオン?)を目の前にした鼠のよう……。何だか哀れにさえ感じる。それだけ米倉涼子の眼力は強い。松子は典型的な悪者をやっつける正義のヒロイン、いやダークヒロインに近くて、だから魅力的なのかも。
出演陣も豪華で、松子と激しく対立していくであろう上司役の飯島直子や松子が通うオカマバーのママ役の武田鉄矢とのかけあいも今後楽しみ。
(てらっち)