民放と同じような番組やるな、いや堅苦しくなくていいなどなど、賛否賑やかなNHKの朝の情報番組「あさイチ」(午前8時15分~)が大健闘している。8月2日に視聴率14%を記録、全放送番組を対象にした8月第1週の週間視聴率ランキングで17位に食い込んだ(ビデオリサーチ調べ=関東地区)。同じ時間帯の民放のワイドショーはひとケタ台半ばの争いだから、この数字がいかにスゴイかわかろうというもの。
好調の理由はいくつかある。まず、テーマを暮らしに役立つ情報に徹底していること。健康、料理、家事の知恵、旅、家族関係、近所との付き合い、子育て、家計、外食を、非常に具体的でていねいに、そしてすぐできそうに取り上げていく。民放のワイドショーの芸能ネタ、まがまがしい事件もの、うんざりするような話ばかりの政治ものに食傷気味の視聴者にウケているのだ。
出演者のバランスも絶妙だ。結構ツッコミもこなす有働由美子アナを進行役に、「いのっち」がニックネームのV6井ノ原快彦のアイドルらしからぬ素朴さ、お堅い国際畑出身なのに人のいいお父さんという印象の柳澤秀夫解説委員が、実にうまい具合にかみ合っている。たしかに、朝から暑苦しいキャスターは見ているほうには迷惑だろう。
直前の番組が視聴率トップの「ゲゲゲの女房」というのも大きいが、視聴者が朝の情報番組・ワイドショーに求めるものが変わってきているということなのだろう。(テレビウォッチ編集部)