「トラック協会」仕分けに見え隠れする民主党の「計算」

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   4日間にわたって行われた『事業仕分け』第2弾の後半戦が終わった。公益法人など70法人が行っている82事業の仕分けの結果、38事業が廃止と判定された。あとはどう実行されるか。ここからが本当の意味でのスタートになるはずだが……

「援護射撃」か「牽制球」か

   所太郎リポーターが最終日の25日に行われた全日本トラック協会(会員数6万社超)の事業仕分けの『怪』を取り上げた。全ト協は零細業者が多いトラック運送業者の集まりで、各都道府県には下部組織としてのトラック協会がある。中央の全ト協の常勤役員6人のうち4人、下部組織の役員94人中59人が役人の天下りだ。

   仕分けの対象になったのは、トラックの燃料である軽油に課税された軽油引取税の収入から、地方のトラック協会に毎年支給される175億円の交付金の使い道。「法的根拠もなく、ただ(次官)通達だけで税金が渡っている」(片山善博慶大教授)この交付金のうち、44億円が各地のトラック協会を通じ全ト協に上納されているのだ。

   これに独協大教授の森永卓郎が最初の疑問を口にした。

   「零細業者がものすごく多い。都道府県のトラック協会は実務的な作業をやっているが、全日本トラック協会の本質は政治的な圧力団体。そこを仕分けしたのは政治的な思惑があるとしか考えられない」

   たしかに、自民党を支援していた全ト協は去年11月、いち早く民主党にくら替え。民主党も今年1月に100人超が参加してトラック議員連盟を立ち上げた。

   この動きについて、政治アナリストの伊藤惇夫は「協会からすれば175億円の交付金は当然もらい続けたいので与党に寄り添う。一方、小沢さんは協会のおいしい票田が欲しい。今や蜜月状態だ」という。

   ところが、そこへ割って入ったように前原国交相が、実質値上げとされた高速道路の新料金制度を打ちあげ、これに全ト協が猛反発した。

   リポーターの所は仕分けの狙いを、「前原国交相と盟友関係にある枝野行政刷新担当相が仕分け対象にして、協会にノーを突きつけたという感じがするんですがね~」と言う。つまり、仕分けを前原国交相への『援護射撃』に使ったというわけだ。

   しかし、赤江珠緒キャスターから「この構図どうですか」と問われたテレ朝コメンテーターの三反園訓は、「枝野大臣と小沢幹事長は仲が悪いわけではない。そこを分かっておいた方がいい」と次のような見方を披露した。

   「仕分けの対象にしたほうが、民主党にとっても小沢さんにとっても良いんですよ。仕分けの対象にしておけば、協会が自民党へちょっとでもなびけば、どうなるか分かっているよねと牽制材料になるから」

   この見方には小木アナも唖然とし、「だから漠然とした『見直し』になっているんですかね」と。権力を持った政権与党にとって、事業仕分けも使い方によってはアメにもなればムチのにもなる典型か。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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