<Mother(日本テレビ系水曜)>虐待されている生徒・怜南に母性が目覚めた小学校教師・奈緒(松雪泰子)が、2人で逃避行をするという、少し現実味のない話ではある。しかも、松雪泰子はやっぱり美しすぎて、母親とか、逃避行という雰囲気があまり出ていない。それでも、揺さぶられるものがあって、続きが気になってしまう、そんなドラマだ。
子役の芦田愛菜にもらい泣き
このドラマを魅力的なものにしているのは、やはり役者陣だ。松雪泰子の美しさは確かに母親っぽくないし現実味がないが、感情表現に乏しく、ちょっとミステリアスな感じは彼女にピタリと当てはまっていて、そのアンバランスさも狙いなのかも。高畑淳子、そして民放連続ドラマは久しぶりの田中裕子も、立場は違えど娘を思う母親役を熱演。
でも、これらベテラン俳優の中にあって、ひけをとらないくらい光っているのが怜南役の芦田愛菜ちゃん。なんとまだ5歳。奈緒宛に置き手紙を書いて家を出ていくシーンで、「おかあさん、おかあさんになってくれたの、ありがとう。おかあさん、大好き」なんて、泣きながら手紙を書いているいじらしい姿に、かなりのもらい泣きをしてしまった。愛菜ちゃんの演技を見られるだけでも、このドラマを見る価値あり。奈緒との信頼関係を、この先、演技でどう表現していくかも楽しみ!
題名のとおり、さまざまな「母」が見えてくるこのドラマ。奈緒には生みの母(田中裕子)と育ての親(高畑淳子)がいる。奈緒の妹は妊娠したが、お腹の子が病気のため、母親にならず堕胎しようとする。怜南は実の母親から虐待を受け、奈緒は怜南の母親になろうとする・・・・・・。
虐待されている怜南を助けるためとはいえ、奈緒のしていることは誘拐にあたる悪いことなのだが、2人の逃避行を応援したくなってしまうしハラハラする。いろいろな「母」が見えてくることで、自分の中にある母性も見えてくる気がするのかもしれない。
てらっち