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新聞・テレビと生き残り策

   猿之助さんが「現役」かどうかはわからないが、現代の「SEXが上手な人に学ぶ」によれば、女性を喜ばすには、テクニックではなく、「尋ねること。それに尽きます。SEXにおいて、相手と話すことはとても大事。しゃべりながらできるのは人間だけだし、(中略)ごく単純に『どこがいいの?』『ここはどう?』と聞けばいい」(加藤鷹氏)

   そういえば、渡辺さんも、遮二無二いたすのではなく、相手の体に触れて、手で撫でてあげるだけで、女は喜ぶものだといっていたな。

   今週のマスコミ人必読は、東洋経済の「新聞・テレビ断末魔」。新聞が部数・広告減に悩んでいるのは世界共通。テレビの広告減も深刻だ。

   アメリカの有力紙が、ニュースの有料化に踏み切ろうとしているようだが、先行きは明るいとはいえない。日経が3月に出す「日経新聞電子版」が注目を集めているが、初年度10万人の会員を獲得するのは、そう簡単なものではないはずだ。

   『FREE』の著者クリス・アンダーソン氏へのインタビューで、フリーミアム(人気のあるものを無料にして、ニッチなものを有料にする)でメディアは生き残っていけるかと聞いているが、にべもない答えが返ってくる。「トップ2に入っていないような新聞や、地域紙のような新聞にはフリーミアムモデルで成功するのは難しいかもしれない。では、どんなモデルが向いているのか――。今すぐには頭に浮かんでこない」

   こうした難問に取り組んで、成功しているのが、私が連載しているJ-CASTニュースだが、蜷川真夫社長が『ネットの炎上力』(文春新書)を上梓され、2010年2月20日に発売される。

   蜷川さんは元朝日新聞の敏腕記者で「AREA」編集長も経験している。1997年に、ネットメディアをつくりたいという思いが強く、朝日を辞めて独立する。

   当時、私は、講談社からインターネット・マガジン『Web現代』を創刊しようと考えていて、蜷川さんから様々なアドバイスをいただいた。この本では、ネットメディア成功の秘訣が惜しげもなく披瀝されている。私は、ブログとニュースを使って急成長した「ハフィントン・ポスト」の例を読んで、今すぐにも手がけたいと思った。これからのメディアの形を考えている人にとって必読の書である。


元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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