サザエさんの魅力 良い意味の毒とエゴにアリ

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<テレビウォッチ>サザエさんのアニメ放送40周年を記念し、フジテレビで実写ドラマとアニメを流す特別版があった。

   アニメの方の1本は、1970年に放送された大阪万博ものが再放送された。サザエさんたちの顔も今のとは違って、エッと驚くぐらいの違いがあった。

   ドラマは3本のオムニバス。サザエさんは観月ありさ、父波平は片岡鶴太郎、母フネ・竹下景子、ノリスケ・爆笑問題の田中裕二。タイコの白石美帆はかわいかった。あまり気張らず原作の雰囲気を忠実に再現しようとしていた。しっかりしたドラマになっていた。子役にやや元気がないようにも見えたが、出しゃばらずに良かったとも言える。

   アニメがもう40年以上も続いているというのは、磯野家の住人が持っている、良い意味での狂気の力を示すものだ。原作者、長谷川町子のパワーを感じる。みんなそれぞれちょっとしたドクを持っている。そのドクが俗なところがまた良い。一方で、ちゃぶ台をみんなで囲って食事する、という日本の家族の原型のようなものを示してくれもする。ドラマでもこの状況は大切に再現していた。こういう家族像は大事にしたいものだ。

   鶴太郎はハマり役でギャグを連発するなど頑張っていた。水を得た魚のごとく生き生きとしていた。視聴率も20.9%と良い数字だった。実際面白かった。いたずらだったりエゴだったりといった人間らしいドクを見せてくれる描き方が良かったのだと思う。こういうのを封じ込めず、さらっと外に出すのはとても健全だ。「けしからん」ものを全部押さえ込み、聖人君子のような人物像を求めると、人間どこかおかしくなってしまうものだ。ちょとしたエゴを、いい意味で人間らしいエゴを表に出す大切さを再認識させてくれたようにも思う。いいところを拾い面白くつくっていた。

   出演者も豪華な顔ぶれがズラリ、というのではなく、極力少ない人数でやったのもシンプル感があって良かった。磯野家以外で目立ったのは、三河屋サブちゃんの勝俣州和、カラーTVを磯野家へ運ぶ電気屋、オードリーぐらいのものだ。ああ、あとタマも良かったな。CMで「ニャフラック」とやってるあのネコにそっくりだった。

      磯野家の ちゃぶ台にある 家族の和

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