<テレビウォッチ> 今年も、夏のバーゲンセールがいよいよ始まった。今夏は各デパートで絶えず小さなセールが開催され、超高級ブランドでも赤文字が躍る変化があった。
それにしても、本当に女性はバーゲンが大好きだ。脳にインプットされているのか『バーゲン』『SALE』の赤文字を見ると、無意識に足が店に向かう。まるでパブロフの犬だ。
もうバーゲン行った?
「ねぇ、もうバーゲン行った?」「まだだけど、行かなくっちゃ~」
そう、バーゲンは女性にとって、行かなくてはいけないほど重要なものなのだ。バーゲンに行けず時期を逃すと、負け戦の気分にすらなってくる。
しかし、どうしてもほしいものがあるわけでもない。クローゼットは、2年先まで洋服を買わなくても大丈夫と思えるほど、洋服で溢れかえっている。もう十分すぎるほど洋服は持っている。だが、また欲しくなる。
女にとって、オシャレは生き甲斐であり、生き甲斐をお安く買えるバーゲンは欲求を満たしてくれる至福の時。そんな、バーゲンで気もそぞろの女子たちが、着飾って代官山で久しぶりに女子会を開いた夜。こんな話で盛り上がった。
「あのさ、オシャレって何だと思う?」
バーゲンでゲットしたという黒の素敵なワンピースを着た彼女。ある日、あまりオシャレに関心がない同僚女子に言われた一言が気にかかるのだという。
「どうしてオシャレな人は、オシャレじゃない人のことをバカにするの? オシャレの何がそんなにエライわけ?」
あわわわわ。確かにそうだ。オシャレじゃないと付き合わない、友達にもなりたくない。その逆に、性格は悪いけど、オシャレだから許す。オシャレはマナーだ。オシャレをしていないと、自分ではない。オシャレな人は尊敬を集める。
言われてみると、ずいぶんとオシャレか否かで人を判断していたことに気付く。「人は見かけが9割」と言うが、オシャレであれば、その人物の好感度はあがり、『カッコよく』『素敵』に見えるわけで必然的にモテ度も高くなる。当然だが、オシャレはブランドではない。ブランド品に頼らずトータルでセレクトしたセンスを指す。センスこそが個性であり、その良さに人々はひれ伏すのだ。
内面を見ずしてアホな女たちだと思うだろう。それは結構。だが、本当にそうであろうか? 生きていく上でセンスは重要だ。その人が何を感じてきたのか、性格、好み、思考、ライフスタイルまでファッションには現れる。自分の見せ方を知っている、オシャレな人に敬意を払って何が悪いのだろう?
この逆パターンが、無頓着なファッション。なぜ、そこまでセンスレスな組み合わせが出来るのか? 色彩感覚や美意識を疑いたくなるほど周囲の人物の気分を害する。
結局、オシャレでない人からバカにされるのは承知の上で、オシャレとは生き甲斐であり個性の表現である! と結論を出した女子会。なんだかんだ言って、オシャレ魂は止められないと悟った。ただし、「生き甲斐がイキがっている」ということにだけはならないよう、注意が必要だと念を押して。
モジョっこ