<テレビウォッチ>「死因はクモ(ケムのことだと思われる)にまかれてしまうんでしょうかねえ」。番組司会の加藤浩次は呟くように自問したあとで、「ファンから見て、解明してほしいという思いはある?」と三船美佳に聞いた。
三船は小さいころからマイケル・ジャクソンのファンで、マイケルがあれやこれやとスキャンダルを取りざたされても、「彼の歌声があまりにやさしすぎるので、その歌声を信じたかった」と言って、涙ぐむほどである。
「(死因を知りたい思いは)すごくありますね」と三船。「ストレスとかじゃないといいな、と思います」
だが、メインコメンテイターのテリー伊藤は三船の言い分を聞き終えるや、「逆にさ――」と言い出した。「死因なんか必要ないんじゃないか。マイケルの業績とかとは違う話になってしまう」
往々にしてエンターテインメントに事実は必要ない。むしろ邪魔である。ときとしてファンは事実を知らないほうが幸せである。そこらへんにテリーの考えるエンタメの真実があるのかもしれない。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト