5月15日(金曜日)、18時30分から上智大学で開催した「このまま週刊誌がなくなっていいのか」シンポジウムは、大盛況で終えることができた。この欄を借りてお礼を申し上げる。
150人のキャパのところへ400人を超える来場者があり、入れずに帰られた人も多かったのは、こちらの判断ミスで、お詫びしなければならない。
「経営者にもいえること」
壇上には、「週刊朝日」山口編集長、「週刊現代」加藤前編集長、「フラッシュ」青木編集長、「SPA!」渡部編集長ほか、10誌の方々が並び(残念なことに「サンデー毎日」の山田編集長は間に合わなかった)、第1部は、私の司会で、田原総一朗さん、佐野眞一さん、田島泰彦上智大学教授に、「なぜ週刊誌はダメになったのか」について語ってもらった。中でも、田原さんの「いまの編集者は勇気がなくなった」という言葉に、会場が一瞬、シーンとなった。
私が付け加えて、「それはいまの経営者にもいえることですね」と返すと、田原さんを始め、お三方とも頷いていた。
第2部は、「週刊朝日」の山口編集長から順に、編集の現場で考えていることを語ってもらった。
「週刊現代」の加藤前編集長は、自分が在籍中にやった一連の「朝青龍など大相撲の八百長疑惑」記事で、朝青龍などから訴えられた名誉毀損裁判で、最高額の4290万円という途方もない賠償額が出たことの経緯と、雑誌の現場を萎縮させる威嚇的な判決が出る背景について話してくれた。
「週刊文春」木俣元編集長は、「週刊新潮」の大誤報問題に触れ、自分が「オウム事件」のとき、同じような経験をしたので、他人事とは思えないと、真実性を見極めるため、編集者のスキルをもっと上げなければならないと発言。
「フラッシュ」の青木編集長は、「人権、プライバシーに対する意識が高まっている中、どうやってそれをクリヤーして、読者の知りたい情報を届けるのか、日々苦労している」話をしてくれた。
大手新聞、テレビは、ほとんどの社が取材に来てくれたし、3時間に及ぶシンポジウムの間、会場中が一体となって、熱心に話を聞いてくれた。いまさらながら、雑誌への関心はまだまだある。そう確信させてくれた一夜だった。改めて、第2ラウンドをやろうと、みんなで約して別れた。