<テレビウォッチ>東京・八王子で起きた母子殺害事件では、事件後、行方不明となっている夫が犯行の容疑者である。指名手配されたその夫の車が日光の華厳の滝近くで見つかったため、当局は上流にあるダムの水をせき止め、滝壺の捜索を行った。シャツや財布などの夫の遺留品が滝や近くの水辺で出てきて、自殺を匂わせているものの、本人はいまだ見つからず。そこで自殺を偽装したのでは、との疑いが浮上中だ。
平野早苗の現場リポートによれば、華厳の滝ではいまでも年間数人の自殺者が出る。大抵の場合、上から身を投げても思ったように滝壺までは到達できず、おそらく不本意なことに途中の崖、岩肌にひっかかる。そんな遺体の引き上げ作業のために、水を止めることは度々あるそうである。
万一、遺体が川の流れにのっても、流れはそれほど速くはない。下流には発電所の貯水槽があるので、その間で発見されるものと考えられる。
なお、滝の上部周辺には、自殺志願者などが立ち入れないように柵が張りめぐらされているが、これは高さ2mほどで、「男の人なら簡単に乗り越えられそう」である。
深まる謎に、番組の唯一の望みである小倉智昭キャスターも「何があったんでしょうか」。事件ネタにおける常套句を繰り返すばかりだ。防犯カメラなどでは、滝から去る容疑者の姿は確認されず、その行方は杳として知れない。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト