NHKの優等生的ドキュメンタリー どこがもの足りなかったか

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   <テレビウォッチ> NHKの新番組「追跡!A to Z」。ドキュメンタリーもので、犯罪に利用される銀行口座の話を追いかけた。

   振り込め詐欺などの不正なことに使うため、インターネットを通じて口座が売買されている。金に困った人が6万円だ4万だ、とかで自分の口座を売っている。子どもたちの分の口座まで売る親も出てくる始末で、子どもがブラックリスト入りしてしまうという将来に禍根を残す状況も出ている。売ってる方は罪の意識が薄いか、ない人もいるようだ。実態をよく知らないからだ。

   不正口座の利用にはある型があるそうで、機械振込の上限の10万円が細切れに続き、一気に多額を引き出す振り込め詐欺パターンや、ヤミ金融に利用されるケースでは、振り込んではすぐに引き出す、というのを繰り返すギザギザ形の雷雲型なんてのもあるらしい。

   口座の不正利用は国内問題だけに止まらず、麻薬売買やマネーロンダリング、テロ資金の動きなどにも関わる話だ。銀行でも不審なお金の動きに目を光らすところも出てくる一方、まだ広がりは見せていないようだ。

   問題提起自体はよかったと思う。しかし、ではどう対処すべきなのかに迫っていなかった。また、対応すべきところが対応してないじゃないか、という怒りも感じられなかった。真面目に論点をまとめてみました、なんていう優等生的つくりだった。鋭く現状をえぐり、どこに問題があるのか、悪いやつは誰か、手を抜いているやつはどこにいるのか、に迫る気迫がまったくない。安全に安全に、と事なかれ主義の連続だ。こんなことでは以降も期待できそうにない。

      罪悪感 薄くて起きる 口座売買

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