「話が違う!」老人ホーム 「性善説」崩壊と投資ファンドの関係

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   群馬県渋川市の無届け老人ホームの火災は、行き場のない高齢者の悲劇として社会問題になっているが、行政に届け出ている有料老人ホームでもトラブルが多発していると、その実態を取り上げた。

   老後のための蓄えをつぎ込んで終の棲家に選んだものの、事業者の変更や廃業などで約束されたサービスが極端に低下したり、なかには追い出されたりするケースも……

経営者変わり待遇悪化

   経営者が複数回変わった千葉県市川市の有料老人ホーム。妻に先立たれた89歳の男性は、自宅を売却しこのホームの2DKの部屋を購入した。医療や介護の24時間対応に魅力を感じたのだという。

   ところが、5年前に経営者が医療コンサルタントに変わって以降サービス低下が始まった。週5回の診察が2週間に1度になった。

   男性は契約違反ではないかと訴えたが、聞き入れてもらえなかった。持病を持つ男性は以来、車で10分かかる診療所へ通院しているという。

   そして2年前、経営者が都内の不動産会社に変わった。今度は、雨漏りがあっても修繕してもらえず、何人かのスタッフが職場を去って行った。

   男性は「裏切り行為みたいなもの。自分の選択が誤っていたと言えばそれで終わりだ」と、やり場のない怒りをぶつける。

   何故こんな経営者が「福祉分野」の事業に参入しているのか??

   番組によると、この不動産会社は、数年前の不動産プチバブル時に投資ファンドから資金を調達し、18億円で前の経営者からホームを買い取り事業に参入した。

   それをいったん投資ファンドに30億円で売却し、12億円の利益を得た。その上で投資ファンドと年間2億円の家賃で20年間の賃貸契約を結んだという。投資ファンドはこれで年6%の利息が転がり込む。

   しかし、入居者のうち毎年30人が亡くなり、その分新規入居者から一時金3000万円の入金が期待できると踏んでいたのが大外れ。加えて昨年来の金融危機で巨額の損失をこうむった。

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