<テレビウォッチ>「拙速を尊ぶ」といても、これでは意味がない。しかもウラの話があるとは……
高速道路の料金所をノンストップで通過できる『ETC』を新規搭載すれば、国が費用の一部を持つという話。ところがスタートしてまだ1週間もたたないのに、既に売り切れ続出しているのだ。
経済対策の目玉の一つとして、麻生政権が打ち出したETC搭載車に限った高速道路料金の値下げ。今(3)月下旬からスタートする。
その追加措置(?)として国交省が今月6日、ETCを新規に搭載する費用の一部を助成すると発表した。
中身は、12日から31日までの20日間に、ETCを新規に搭載する車に限り、4輪車は5250円、2輪車は1万5750円を国が助成するというもの。
期間限定のために我先にと、対象の販売店に客が殺到し早くも品切れが続出。準備期間が短すぎると批判が出始めている。
金子国交相は「需要があるのはうれしいこと。どう対処するか、もうすこし話を詰めさせていただく……」と、割引期間の延長を考えているようだが、経済対策を最重点に置きながら後手に回るかと思えば、やれば拙速と、どこかおかしい。
司会の加藤は「計算ができていない感じがしませんか~。こんなになるとは思っていなかったということでしょうか?」と。
これに衆院議員の江田けんじが「お役所仕事ですね。こんな不景気な時に、増産が間に合わないなんて他にないですよ。(4輪車で)5000円割り引いただけでこんなに需要がある。波及効果も高いし、(期間延長は)やるでしょう」。
それにしても「なぜETCつける人間だけが……」(加藤)という素朴な疑問もある。
江田はこの疑問に応えてこう述べた。
「そこは国会でも指摘された。民営化されたとはいえ高速道路会社は40兆円も借金を抱えている。人件費削減、効率化というタテマエもあるのです……」
「実はETC搭載されると、さらに別の天下り財団に幾ばくかのカネが流れる仕組みになっている。これが本音ではないかと国会で追及された。政府は否定していましたがね……」
これが事実なら、これこそムダ金。徹底的にムダをなくすと言っておきながらウラでこのありさまでは、消費税率アップなどとんでもない。