<テレビウォッチ>「小学校に入学する時にちゃんと調べておけばこういうことにならなかったのに……」。司会の加藤が文科省をチクリ批判した。
不法滞在で国外退去処分が確定しているフィリピン人一家が「在留特別許可」を求めてきた問題である。
東京入国管理局は3月9日、一家のうち父親(36)の身柄を収容。妻(38)と中学1年の長女(13)は仮放免の期限を16日まで延長し、長女だけを日本に残すかどうか13日までに回答するよう求めた。
1992年から93年にかけて、父親と妻 が偽造パスポートを使って不法入国。2人は日本で知り合い結婚、長女が生まれた。
母親の不法滞在が発覚したのは3年前で、強制退去処分が決まった。子供が日本に定着し、中学生以上の場合は日本での滞在を認めるケースもあるが、このとき長女は小学5年生で、このケースには当てはまらなかった。
このため一家は、強制退去処分の取り消しを求める訴えを起こしたが最高裁は取り上げず、この間長女は中学生に。
さらに一家は、特別な理由があれば日本の滞在が認められる「在留特別許可」を法務大臣に求めていたが、9日その最終期限を迎えた。結果は冒頭に触れた通りだ。
法務省は9日、日本で生まれ日本語しかできない長女の人権に配慮し、おじ、おばらが日本で生活している点を考慮し、次のような譲歩案を提示している。
その中身は(1)家族3人で帰国するか(2)長女だけを日本に残し両親は帰国(3)強制送還されると5年間入国できないが、両親が希望すれば1年後に長女の面会のために入国を許可する、というものだ。
スタジオではテリー伊藤が「両親は子離れしなければだめですよ。情にすがっていては先に進まない」。
評論家の宮崎哲弥も「法務省は人権を配慮しぎりぎりまで譲歩している。法務省の判断はやむを得ない。この原則をいい加減にすると、もっと問題が大きくなる」。
どれも、もっともな意見。とくに加藤の冒頭の「長女が小学校に入学する時にもっと調べておけば……」という意見は、縦割り行政の弊害か。