<テレビウォッチ>衆院予算委で焦点の天下り廃止問題で、民主党が例に出した「6回で推定3億2500万円」というのがあった。元水産庁長官。退官時の退職金は5600万円だったというから、明らかに天下りの方が「割がいい」。長谷川豊がこれら6か所を回った。
1) (財)海外漁業協力財団 4年6か月 9700万円
2) (特)地方競馬全国協会 3年 6200万円
3) (社)配合飼料供給安定機構 3年 5000万円
4) (財)日本軽種馬登録協会 3年3か月 3200万円
5) (財)漁価安定基金 3年5か月 2600万円
6) (社)全国遊漁船業協会 4年8か月 200万円
金額は退職金を含むから、年収としては初めが2000万円、それが1500万、1000万と次第に下がっていくのがわかる。最後の6番目は交通費程度だった?
「全部都内なので、1日で回れました」と長谷川。「3番目までは週5日、定時で働いていたということだった。取材に応じてくれた人も農水省の天下りが多い。4番目は取材拒否。最後の職場は、1月末で辞めていた」と。名前が出たからだろう。
長谷川はさらに、田園調布の自宅に行ったが、チャイムを鳴らしても答えがなかった。
小倉智昭が、「優秀な官僚がいることは確かだが、天下りのために用意されてるポストが4000? そんな法人なくたっていいというのがあるのが問題」
長谷川が「今回回ったうちに、もともと農水省の一部署だったものがある。切り離すことによって、農水本省より高い報酬を決められる。そうした4696法人に毎年12兆6047億円の金が出ている」
長谷川はさらに、新たな天下り斡旋ルートになる「官民人材交流センター」も取材した。昨2008年大晦日に設立された。マスコミは初めてだというが、カメラはダメだった。
高橋誠二・副センター長は民間出身だそうだが、「ハローワークと機能は同じですが、公務員は勧奨退職で、本人の意思ではなく辞めるので、国が支援する必要がある」といった。天下り根絶には、むろんこの早期退職システムを変えないといけない。
岩上安身は「天下り法人の内部は撮影できましたか? できないでしょう。もの凄いひまなんですよ」
すると小倉が気色ばんで、「ちゃんと働いている人もいます。ボクの父親がそうだった。一流企業の取締役を辞めたあと通産省認可の法人に入って、現在でも通用している重要な仕事を、寝食忘れて一生懸命働やってた。ところが嘱託で、給料は驚くほど安くて、『昼間は立ち食いそばだ』といってた。そこには上から来た理事長がいたが、働いてるのは親父1人で、上の人とのギャップがありすぎるの」
岩上は「役人が仕事の関連で天下り先を作り出すと、よくやった、植民地を作ったと評価される。
長谷川の感想は「増税論議は税金の負担を減らしてからではないのか、というのがよくわかる」
小倉は「天下りがなくなったら、役人になる人が減るんじゃないの?」
佐々木恭子「天下りまで生涯設計に入っているから」
そう、そこが根本。官房長の仕事の大部分は、天下り先を作り出すことだからね。